契約書の基礎の基礎

いつもご覧いただきありがとうございます。
今回は少し毛色を変えて契約書の話をちょっとします。
それではよろしくお願いいたします。

1契約書の意味って!?

家を借りる、クルマを買う、お金を借りるなどその際に多くの場合契約書にサインをしたりしますよね。それはなぜなのでしょうか?相手を煙に巻きたいから?ただ単にかっこいいから?
ではその理由を説明いたしますね。あなたは今からスターバックスで限定の販売されているフラペチーノを買いにいくとしましょう。長い長い客を待って、さぁ、いよいよ注文です。そこでスターバックスのスタッフさんが契約書を出してたのです。そんなスターバックスで買いますか?僕はならその店員とは友達になりたいと思っても買おうかなと思いません。「いやいや、こんな面倒ならええわ」って・・・・では、契約書の意味とはなんなんでしょうか?
普段の生活の中での買い物では中々契約書を書くことはありません。それは取引が煩雑になるからです。ここに掲げた例ではモノやサービスの提供を売り買いする売買契約です。では法律上ではどうなってるのでしょうか?
民法555条を取り出して考えてみましょう。

”民法555条 売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。”

この本文にもあるように、モノやサービスの移転とそれに対応する代金の移転を双方で約束することによって成立するのです。ここで約束って口約束はダメとかって書いてはいないですよね。そう、原則多くの契約はこのような双方の約束によって成り立ちます。だからこそ、コンビニでもスターバックスでもスムーズに買い物できるのです。
ところが舞台は変わって、今度は中古車屋さんです。あなたはずっとあこがれていた年代物のスポーツカーを前に興奮が抑えられない、中古車屋さんの説明もうわの空です。あなたはそんな中で中古車屋さんがいった説明を相当聞きそびれていました。いつまでに代金を支払う、現状引き渡しで保証はない、車検に通過するだけの整備しかしない旨などなど。そんな中あなたは、このクルマを手に入れましたが納車後すぐに壊れてしまいました。あなたは言います、これは整備不良だと。でも中古車屋さんは言います、現状販売の保証なしだと。この場合、口頭の約束だけではわかりませんよね。だからこそ、契約書という文章で契約の内容を明らかにし双方でのトラブルを避け、解決の糸口をここに持ってきたといえるのです。逆にいえば、双方の信頼を大切にしようとするから契約書を発行するといえるのです。
ここでは典型的な売買契約を例にあげましたが、例えば絶対に契約書を作成しなければ契約の効力が発生しない契約(要式契約といいます。)もありますのでそれぞれの事例にそった契約書の作成が必要となるのです。

 

2 契約書のあれやこれやもお気軽に

先ほどまで述べていたのが契約書の意味となります。契約書はビジネスを実施する中において重要な意味を持つこともわかっていただけたかと思います。
「よし、わかった!契約書の意味はわかったから本屋さんで売っているテンプレートをコピペして使おう!」
でも、私から一言、それ本当に大丈夫ですか!?例えば古本屋さんで買ったテンプレート、それをそのままコピペしたら無効になるケースもあるのです。民法といった各種の法律が改正されたことにより、絶対に書かなくてはならない事項がその古いテンプレートでは古い情報しかなく書いていないケースも多くあります。(例:建物賃貸借契約における保証人と極度額の定めなど)
また、テンプレート上では一般的なケースしか書いていないので他の利害関係人がいる場合や変則的なケースに対応できなかったりします。
そのような自分は大丈夫と思っていても実は法的トラブルになる原因はこういったところに隠れているのです。
このような契約書に関しても弁護士や行政書士といった専門家にご相談いただければトラブルも事前に防げますのでお気軽にお問い合わせください。当事務所は契約書の作成やリライトもビジネスを支える一環として力を入れております。