「農」を活かす、「農」を育てる

いつもご覧いただきありがとうございます。
今回は農業で起業する方や農業を初めて間もない方などにむけた私のコラムです。もちろん、現在、事業を営んでいて農業分野への進出や農業者・起業者にもに向けた記事になりますのでよろしくお願いいたします。

1ー「農」を「業」とすること

開業して1年経過しましたが色々なお客様との出会いの機会をいただきました。電気工事業者、産廃処理業者、広告代理店、ゲームセンター経営者などなど様々です。ただ、特にその中で私の中で印象深いのが「農業」での起業をされる方や事業の一軸に「農業」を置かれている方が多かったという点です。
私は聞きました。「なぜ農業なのかですか?」と。そしたら多くの方はこう答えました。

「たまたまだったんだ・・・・母が亡くなって相続したのが農地だったかた使わないと損だ。」
「周りが耕作放棄地が増えてきてから何とかしたいと思ったから農業する。」

一見すると、よく聞く開業理由やありふれている起業や開業の理由だと思います。しかし、私はあえて言います。「それだけでは危険だよ」と。

では何が問題なのでしょうか?あと継いで農地を活用する、耕作放棄地を活用するいずれにしても非常に素敵なことです。でもここで大きく欠けている点はなんでしょうか?
お客様は誰ですか?お客様に何を提供するのですか?お客様にどのようにして提供するのですか、そしてそれが選ばれるようにするために何をすべきですか?最後にそれらの取り組みでいつ支払いや自身の生活を支えられるのですか?という点です。
一見すると農業をやる、そのために畑を育てる、そのために収穫するという行為は実際に働いていることですし、尊いことです。しかし、その行いそのものが目的になっているのではないのでしょうか?野菜を育てること、稲を育てること、そのための田んぼを造ることは自分のビジネス、事業を成り立たせるための手段にすぎないといえるでしょう。生産したもの、加工したものがお客様にわたって初めてビジネスと言えますよね。
ここで広辞苑より「業」という意味を見てみます。「業」という意味には➀「業務」という作業的な意味もあると同時に➁「生業」(なりわい)という暮らしの手だてや自身のつとめであるとしています。特に今後事業を持続的に経営してゆくには➁の視点をもって、「起業理念」を起こし、そこから具体的な「経営計画・事業計画」に落とし込んでゆくことが大切なのです。特に農業は他の業態業種と比べてお金となるタイミングも遅く、生産においても人間の手が非常にかかるのでこの意識を徹底してゆかないと志のみがあっても先につながらないといった悲劇につながります。これから「農」を「業」とするいや、全ての起業、全ての事業において大切なのはこの視点なのです。

 

2-「農」を「業」にするために使える制度案内

上記での話を踏まえた上で話を「農業」で起業する方やこれから農業に参入する方、これから新規事業として農業への参入を検討されている方に2022年8月31日時点で使える制度のご紹介をいたします。農業系の政策は数が非常に多いので主要なモノのみをピックアップしてゆきます。数多くありますし、経済産業省の補助金制度や都道府県もありますのでお気軽にお問い合わせくださいね。

 

就農準備資金・経営開始資金

目的:新規就農者育成総合対策の一環として農業経営発展のための機械・施設等の導入を地方と連携して支援するとともに、新規就農者への技術サポート等を支援します。また、就農に向けた研修資金、経営開始資金、雇用就農の促進のための資金の交付を行います。

 

A:経営発展支援事業

市町村から認定新規就農者の認定を受けた新規就農者が補助対象事業費上限1,000万円(経営開始資金の交付対象者は上限500万円)を補助します。補助率は県支援分の2倍を国が支援します。例えば、県が1/4の補助率で実施する場合において国はその2倍となる1/2を補助します。※補助対象経費は機械・施設、家畜導入、果樹・茶改植、リース料等が対象となります。

 

B:経営開始資金

市町村から認定新規就農者の認定を受けた新規就農者で自身で経営を開始する者は月額最大12.5万円/月(150万円/年)を最長3年間国が全額補助します。

 

C:就農準備資金

将来的に独立を目指し、現在農業法人等で農業技術の研修を受けてる者に対して月額最大12.5万円/月(150万円/年)を最長2年間国が全額補助します。

 

以上が農業を新たに始める人向けの制度のうち一番大口なモノとなります。

このように農業は農業政策に特化した補助制度や融資制度などもありますのでお気軽にご相談くださいね。