事業再構築補助金を使いこなす

いつもご覧いただきありがとうございます。
今回は国が実施する大口補助金であり事業再構築補助金についてお話いたします。
この再構築補助金については考えるべきテーマが多いので数回にわたってお話しようかなと思います。

 

1−事業再構築補助金とはなにか?

では一体事業再構築補助金とは一体なんでしょうか?まずはそこから紐解こうかと思います。
事業再構築の公式ホームページにおいてはこのように書かれております。

”新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売り上げの回復が期待しづらい中、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために中小企業等の事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すことが重要です。そのため、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援します。”

 

以上のようにありますが具体的に見てみましょう。

 

この補助金の端的な特徴を言うならば、既存の事業から新市場への展開や業種そのものを変える、売り方や売り先を変えてゆくといった大規模な事業形態の変化をするための設備投資、販促活動などを後押しする補助金となります。
では実際の採択例をこれから見ていきます。

例1:T社 競技用自動車用パーツを開発していたT社が来るカーボンニュートラルに対応すべく、自社の持つ精密加工技術、同業他社と比較し厳格な品質管理体制、国内のみでなく海外にも知られたブランド力という有形及び無形の形成資源を活用し、「空を飛ぶ自動車」の製造を行う新分野展開

例2:N社 長い歴史を持つ製塩事業で培った加工技術を活かし、医薬や健康食品向け原料の新規格の製造に取り組み、新市場開拓を図ると同時にそのための新設備建設を行う。

 

以上のような大体的な事業転換を応援するための補助金となります。
では、その補助額など詳細について見ていきます。

まずは対象となる事業者ですが原則として、法人・個人事業主は対象となります。
もちろん資本金額や従業員数によって対象外となる場合がございます。
例えば小売業では資本金額が5,000万円以下または、従業者数が50人以下の場合に対象となります。
また、制度の性格上、新規開業者は原則として対象となりません。

例えば2022年に起業された方は対象となりません。
これから起業した人が業態業種や新分野展開することは想定しにくいからです。
法人成りによる新設や2020年3月31日以前から創業を検討し、2020年4月~12月までに創業した場合は特例的に認められる場合があります。ケースにより異なりますのでお気軽にお問い合わせください。

気になる採択額などはこちら(https://office-ogawa.com/index.php/business-restructuring-subsidy/)をご参考ください。

具体的な補助対象経費としては主に次のようになります。

 

➀建物費

事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫などで事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設・改修
※新築建物については原則認められない方向となりました。事務局により新築の必要が認められた場合に限られました。
事業実施に伴う建物撤去費用、賃貸物件の現状回復費用
※上記撤去費用及び現状回復費用のみでは申請できません。相当な設備投資が前提となっているためです。
貸工場・貸店舗等に一時的に移転する際に要する経費(補助事業実施のために現状の工場・店舗から一時的な貸店舗の賃料など)
※一時移転に係る経費は補助対象経費総額の1/2を上限とする。

 

➁機械装置・システム構築費(リース料を含む)

補助事業実施にあたって使用する機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築、借用に要する経費
新規で購入したものや既存の機械装置や専用ソフトウェアの改良・修繕、据付け又は運搬に要する経費

 

➂技術導入費

特許権や実用新案権、意匠権といった本事業遂行のために必要な知的財産権等の導入に要する経費

 

④専門家経費

本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費
※本補助金申請のために依頼した行政書士や中小企業診断士の経費は補助対象外

 

⑤運搬費

運搬料、宅配・郵送料等に要する経費
※機械装置の運送費用は➁に含める

 

⑥クラウドサービス利用費

 

⑦外注費

本事業遂行のために必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費

 

⑧知的財産権等関連経費

特許権や実用新案権、意匠権といった本事業遂行のために必要な知的財産権等の導入に際しての弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料など知的財産権等取得に関連する経費

 

⑨広告宣伝・販売促進費

本事業で開発又は提供する製品・サービスに係る広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展(海外展示会を含む)、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用等に係る経費

 

⑩研修費

本事業の遂行のために必要な教育訓練や講座受講等に係る経費
上限額 =補助対象経費総額(税抜き)の3分の1

 

以上のような新しく大々的な事業の変更にかかる経費が補助されるものとなります。

ではどういった事業の変更が対象になるのでしょうか?実は似ているようで実際は違います。
本補助金での再構築の内容を記載している事業再構築指針にはつぎのようにあります。
(貼り付けURL:https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/shishin_tebiki.pdf)

 

➀新分野展開

主たる業種又は主たる事業を変更することなく、新たな製品等を製造等し、新たな市場に進出
例:航空機用部品を製造していた製造業者が、業界全体が業績不振で厳しい環境下の中、新たに 医療機器部品の製造に着手し、5年間の事業計画期間終了時点で、医療機器部品の売上高が 総売上高の10%(又は総付加価値額の15%)以上となる計画を策定している場合
ここでは製造業の例をだしておりますがこの事例から考えてゆきましょう。
まず、業種、主たる事業はここで見ている場合では製造業のままで代わりはありません。変わったものというと製造する製品、そしてそれを売り込む市場が完全に新規という点です。また、その新規性も今まで製造したことない点、そして市場も既存の市場と代替的でないことが重要となります。

 

➁事業転換

新たな製品等を製造等することにより、主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更する
例:プレス加工用金型を製造している下請事業者が、業績不振を打破するため、これまで培った金属 加工技術を用いて、新たに産業用ロボット製造業を開始し、5年間の事業計画期間終了時点に おいて、産業用ロボット製造業の売上高構成比が、日本標準産業分類の細分類ベースで最も 高い事業となる計画を策定している場合
例を同じくするためにここでも製造業で説明します。
製造業であることはかわりませんが、事業内容が下請け加工からロボット製造と大きく変わっております。また、ここでは標的顧客そのものは大きく変更はないことに留意いただきたく思います。

 

➂業種転換

新たな製品等を製造等することにより、主たる業種を変更
例:コロナの影響も含め、今後ますますデータ通信量の増大が見込まれる中、生産用機械の製造業を 営んでいる事業者が、工場を閉鎖し、跡地に新たにデータセンターを建設し、5年間の事業計画 期間終了時点において、データセンター事業を含む業種の売上高構成比が最も高くなる計画を 策定している場合。
ここにおいては製造業から大きくデータセンターという情報通信業へと業種を変えています。このような大規模な業種転換を指します。

 

④業態転換

製品等の製造方法等を相当程度変更
例:健康器具を製造している製造業者が、コロナの感染リスクを抑えつつ、生産性を向上させることを目的として、AI・IoT技術などのデジタル技術を活用して、製造プロセスの省人化を進めるとともに、削減が見込まれるコストを投じてより付加価値の高い健康器具を製造し、新たな製造方法による売上高が、5年間の事業計画期間終了後、総売上高の10%(又は総付加価値額の15%)以上を占める計画を策定している場合。
この場合においては健康器具製造という事業内容は変えてはいません、その意味においては新分野展開、事業転換と同じですがどのように違うのかを説明します。
例においては健康器具製造であることは変わってはおりません。変わった点に焦点をあてるとそれは製造の方式、容態を変えています。AIやIot を使った形での製造プロセスの少人数化、工数削減といった省人化の取り組みがそれにあたります。このような生産方式の大々的な変更や販売方式の大々的変更(例:従前は実店舗にてイートイン形式で運営していた飲食店が、デリバリー専門のお弁当屋に業態転換)も該当します。

 

⑤組織再編

合併や会社分割、事業譲渡といった会社法上の組織再編行為等を補助事業開始後に行い、新たな事業形態のもとに、新分野展開、事業転換、業種転換又は業態転換のいずれかを行う

 

以上が大まかな再構築補助金の概要となります。

 


2 これから再構築補助金を検討される方へ

先ほどお話したのが再構築補助金の大まかな概要となります。大まかといってもかなり考える点もあると同時に複雑で煩雑です。では、これから何をすべきかを考えていきましょう。

 

1・GBiZIDの取得

何もなくともまずはこれです。この事業再構築補助金においてはJ-グランツを介した電子申請、及びミラサポプラスを介した財務情報の入力も必要となり、その場合にはG‐BizIDの取得が前提となっております。
まだ何も準備ができていない場合にはまずはG‐BizIDの取得をおすすめいたします。
G‐BizIDについてはこちら(https://office-ogawa.com/index.php/2022/09/13/the-abcs-of-gbizid/)をご参照ください。

 

2・認定支援機関・銀行や金融機関との事前相談

事業再構築補助金においては事業計画は経営革新認定支援機関と共に事業計画を作成することが要件となっております。金融機関や認定支援機関より事業計画の承認を得なければ申請はできないのです。
当事務所では認定支援機関とお客様との間に入り、事業計画の骨格の作成支援、添付書類の整理などの裏方に回ります。当事務所においては認定支援機関との同行までも行いますが、あらかじめ造った事業計画の骨格を認定支援機関と協議し、修正し完成系まで持ってゆくことが当事務所での支援となります。
そのため、事前に認定支援機関である商工会議所や、金融機関、認定支援機関として認定されている他の中小企業診断士などとの事前相談も必要になります。
事業再構築補助金は金額も大きく、自己資金が足りなくなる場合も大いにあります。そのためのつなぎ資金の融資や補助金採択という結果を担保としたPOファイナンス等の利用等の必要もあると思います。そのため、当事務所では金融機関を認定支援機関としての作成をご提案いたします。ただ、各々のケースもありますのでお気軽のご相談ください。

 

3・決算書の準備

法人の場合は決算書、個人事業主の場合は確定申告書を最低三期分ご用意いただく必要があります。要件にあるようにコロナ前との売り上げの比較のために必要となると同時に当該資料をミラサポ内に入力の必要があるためです。また、事業を大々的に変えるという点もあり、そこには大きな設備投資、事業運営において財務的視点を持って経営しなくてはならないですし、事業計画書作成の面においても重要な情報となります。
売上や原価の情報、次ごとの売上台帳などをまとめてもらうとベストです。

 

4・事業の見立てを慎重に

この補助金に関する相談ではあまりにも過大な計画やとりあえずなんでもいいから補助対象に盛り込むといった無理筋では採択にいたるのは難しいです。また、2でも話しましたが資金ぐりなどの不安などもあります。そこでは具体的に行う事業で目標を定め、具体的な計画を落とし込み、その上で事業計画を磨き込んでゆきます。
その場合には補助金の実施を後にしての本業の改善もありますし、あえて融資制度を活用するという手もあります。また、許認可が関わるケースなどもあります。相談できる機関においてそのような相談をすることをおすすめします。当事務所におきましても相談対応いたします。

 

3 当事務所での支援

当事務所においては認定支援機関との橋渡し、計画書の作成支援、申請支援などを実施しております。
事業を大々的に転換するということもあり、時間をかけ綿密な打ち合わせが重要となります。
当事務所での事業再構築補助金の支援についての料金は以下のようになります。

着手金 ¥100,000〜(税抜)
成功報酬 採択額の8%〜

 

初回相談については無料となっておりますのでお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。